2020-11-13

DNA配列情報の利用に対する利益配分 3 ー整理・全体像ー

 DSIの問題がCBD(生物多様性条約)だけでないこと(1)、利益配分がCBDの成り立ち(1992年以前)からの一貫した課題であること(2)を紹介しました。

 それ以外にもDSIは様々な問題を巻き込み非常に複雑な状況となっています。それぞれの問題を紹介する前に、私の頭の中の整理を紹介したいと思います。(下図)

 
  概念的(そもそも論) - 実務課題で主に分け、問題が単純か発展的(複雑)かでさらに分けてみました。
 上の図のIIa.CBD/NPの対象か?は2で説明したとおり、主な問題点は、情報(DSI)は有体物(マテリアル)(遺伝資源)とは考えられないということです。そのため、そもそもCBDはDSIを対象としないのではないか、と考えられます。しかし、それほど単純でもありません。DSIは遺伝資源に「アクセス」(取得・利用)しなければ出てきませんし、DSIの利用を遺伝資源の取得時にmat(相互に合意する条件)に書き込むことも原産国(提供国)の自由です。
 DSIは
CBDの遺伝資源の範疇ではないが、名古屋議定書の仕組みでも利用規制は可能 と言ったところでしょうか。
 
  IIb. CBDで扱うことが妥当か?については1少し書きました。DSIに関連する条約は少なくとも4つあります。一方でDNA情報のほぼ全てはDDBJ, NCBI, EMBLの3極が運営するINSDCにあり、そのINSDCはいかなる国際条約とも関係がありません。
中央の図はDDBJから。
・各条約が別々に検討を続けるのか?
・条約はINSDCにどのようにアプローチするのか、または無関係に進めるのか?
  という話になるのかもしれませんが、どちらも無理があるような気もします。
 (つづく)