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2023-03-09

BBNJ: 公海の生物多様性保全とABS

 いくつかマスコミ報道(読売新聞; BBC日本語; Nature英語)されていますが、公海での生物多様性保全とABSに関する新条約(略称: BBNJ)の採択が近いようです。

 

 BBNJ はconservation and sustainable use of marine Biodiversity of Areas Beyond National Jurisdictionの略称です 。国連海洋法条約(UNCLOS)下部の新条約(案)として10年以上前から検討されていました。

2020-11-29

DNA配列情報の利用に対する利益配分 4  利益配分すれば途上国の生物多様性保全につながるか?

 DNA配列情報の利用に対する利益配分 3 ー整理・全体像ー の続きです。

 今回は、下図のIIIの2点についてです。

 DSIに対して平等に利益配分を行った場合に、利益配分は、主張の強い途上国に向かうのでしょうか? この点について、CBDが報告書を作成しています。

Rohden et al. 2019. Combined study on DSI in public and private databases and DSI traceability.

 この報告書はドラフトなのでNot for citationですが、peer reviewから一年経っても正式版にはなっていないようです。

2020年1月に改訂版が出ていることを教えていただきます。

https://www.cbd.int/meetings/DSI-AHTEG-2020-01
https://www.cbd.int/doc/c/1f8f/d793/57cb114ca40cb6468f479584/dsi-ahteg-2020-01-04-en.pdf

2020-11-13

DNA配列情報の利用に対する利益配分 3 ー整理・全体像ー

 DSIの問題がCBD(生物多様性条約)だけでないこと(1)、利益配分がCBDの成り立ち(1992年以前)からの一貫した課題であること(2)を紹介しました。

 それ以外にもDSIは様々な問題を巻き込み非常に複雑な状況となっています。それぞれの問題を紹介する前に、私の頭の中の整理を紹介したいと思います。(下図)

 

2020-11-10

DNA配列情報の利用に対する利益配分 2 -CBDの成り立ちからDSIへ-

 「DNA配列情報の利用に対する利益配分」の基礎 1の続きです。

DNA配列情報(Digital Sequence Information; DSI)に対する利益配分は間違いなくCOP15とPost 2020 Global Biodiversity Framework (Post2020GBF; 愛知目標後継の10年目標)の最大の焦点です。

 この問題の背景を理解するには、CBD(生物多様性条約)が生態系保全だけの条約でなく、なぜ利益配分を含むのか、CBD, 名古屋議定書での利益配分の対象について理解するのが近道かと思います。

2020-10-25

DNA配列情報の利用に対する利益配分 1 ー紹介ー

 DNA配列情報に対して遺伝資源と同じように利益配分を求める声が、途上国から高まっています。

 これはDSIと呼ばれているものです。DSI自体はDigital Sequence Informationの略ですが、すでに「核酸(DNA, RNA)の配列情報の利用に対する利益配分に関する問題(課題) 」という"暫定的な"意味で使われています。

2020-10-11

DSI(DNA配列情報)とABSに関するドイツの報告書

 相変わらず出張は全く無く、webinarばかりです。

 ドイツ政府が支援しているWilDSIというプロジェクトが塩基配列情報の利用に対する利益配分の報告書を出しています。先週は、その報告会がwebinarであったので参加しました。https://www.dsmz.de/collection/nagoya-protocol/digital-sequence-information/dsi-policy-options-webinar-2020

 コメントと質問数はおそらく200を超えており、大盛況の webinarでした。私も大いに楽しみました。