<<著者にインタビューできたのでどちらのケースも修正しました。>>
ABSに関連した理由で撤回された昆虫分類学の論文2報を紹介します。 アマチュアの昆虫学者と交流のある同僚に教えてもらいました。
DNA配列情報の利用に対する利益配分 3 ー整理・全体像ー の続きです。
今回は、下図のIIIの2点についてです。
DSIに対して平等に利益配分を行った場合に、利益配分は、主張の強い途上国に向かうのでしょうか? この点について、CBDが報告書を作成しています。
Rohden et al. 2019. Combined study on DSI in public and private databases and DSI traceability.
この報告書はドラフトなのでNot for citationですが、peer reviewから一年経っても正式版にはなっていないようです。
2020年1月に改訂版が出ていることを教えていただきます。
https://www.cbd.int/meetings/DSI-AHTEG-2020-01
https://www.cbd.int/doc/c/1f8f/d793/57cb114ca40cb6468f479584/dsi-ahteg-2020-01-04-en.pdf
「DNA配列情報の利用に対する利益配分」の基礎 1の続きです。
DNA配列情報(Digital Sequence Information; DSI)に対する利益配分は間違いなくCOP15とPost 2020 Global Biodiversity Framework (Post2020GBF; 愛知目標後継の10年目標)の最大の焦点です。
この問題の背景を理解するには、CBD(生物多様性条約)が生態系保全だけの条約でなく、なぜ利益配分を含むのか、CBD, 名古屋議定書での利益配分の対象について理解するのが近道かと思います。